【ISTQB /JSTQB AI Tester 解説】機械学習(ML)の3つの学習形態を徹底解説

JSTQB AI Tester

― 教師あり学習・教師なし学習・強化学習とは?

ISTQB AI Testerシラバスの Chapter 3(Machine Learning) では、

まず最初に「機械学習の学習形態(Forms of Machine Learning)」を理解することが求められます。

本記事では、以下の3つの機械学習の形態について、

定義 → 仕組み → 具体例 → 試験でのポイント の順でわかりやすく解説します。

  • 教師あり学習(Supervised Learning)

  • 教師なし学習(Unsupervised Learning)

  • 強化学習(Reinforcement Learning)


機械学習(Machine Learning)とは?

機械学習とは、データからパターンやルールを学習し、将来の予測や判断を行う技術です。

AIシステムの多くは、この機械学習を中核として構成されています。


① 教師あり学習(Supervised Learning)

概要

教師あり学習とは、

「正解ラベル付きデータ(Labeled Data)」を使って学習する手法です。

  • 入力データ:画像、数値、テキストなど

  • 出力ラベル:「犬」「猫」「年齢」「価格」などの正解情報

学習時に「これは犬」「これは猫」と答えを明示的に与えるのが特徴です。


具体例①:画像認識(犬と猫の分類)

  • 犬の画像 → ラベル「Dog」

  • 猫の画像 → ラベル「Cat」

このような 入力+正解ラベルのペア を大量に与えることで、

モデルは「犬らしさ」「猫らしさ」を学習します。


身近な例:Googleの「私はロボットではありません」

信号機・横断歩道・バス・自転車を選ばせる認証画面は、

教師あり学習で学習された画像分類モデルが使われています。


テストフェーズ

  • 学習後、未学習の新しいデータ(Unseen Data) を入力

  • 正しい予測ができるかを評価

  • 精度が十分高ければモデルを本番環境へデプロイ


教師あり学習が解決する問題の種類

1️⃣ 分類(Classification)

入力データを あらかじめ決められたカテゴリ に分類する問題。

  • 顔認証(本人/他人)

  • 画像内の物体検出

  • メールのスパム判定

👉 スマホの顔認証は、

「あなたの顔画像=1つのクラス」として学習されています。


2️⃣ 回帰(Regression)

数値を予測する問題

  • 年齢・身長・体重の推定

  • 株価・売上・需要予測

  • 開発スプリントの完了時期予測

👉 過去データの傾向から、将来の数値を推定します。


② 教師なし学習(Unsupervised Learning)

概要

教師なし学習では、

正解ラベルを与えずにデータの構造や共通点を見つけることが目的です。

  • ラベルなしデータ(Unlabeled Data)を使用

  • データ同士の「似ている/違う」を自動的に判断


身近な例:スマホの写真アプリ

  • 誰の写真か一切指定していない

  • それでも「同じ人物の写真」が自動でグループ化される

👉 これが 教師なし学習(クラスタリング) です。


テストフェーズ

  • 新しいデータを入力

  • 既存のグループ(クラスタ)のどこに属するかを判断

  • 写真の角度や光の影響で誤分類することもある


教師なし学習が解決する問題の種類

1️⃣ クラスタリング(Clustering)

データの類似性に基づいてグループ分けする。

  • 顧客を購買傾向別に分類

  • 行動パターン分析

  • 異常検知(通常と異なるデータ)


2️⃣ アソシエーション(Association)

データ間の関連性・組み合わせ を見つける。

  • ECサイトの「この商品を買った人は、こちらも購入しています」

  • スマホ購入 → 保護フィルム・ケースの推薦

👉 購買行動の「一緒に起こりやすいパターン」を学習します。


③ 強化学習(Reinforcement Learning)

概要

強化学習は、

エージェント(Agent)が環境と相互作用しながら学習する手法です。

  • 正解データは事前に用意しない

  • 行動の結果に応じて「報酬」または「罰」を受け取る

  • 試行錯誤を繰り返して最適な行動を学ぶ


仕組み(基本構造)

  • エージェント(AI)

  • 環境

  • 行動(Action)

  • 報酬(Reward)

👉 良い行動 → 報酬

👉 悪い行動 → ペナルティ


具体例

  • 自律走行車(障害物回避・速度調整)

  • ロボット制御

  • チャットボットの対話改善

  • ゲームAI(囲碁・将棋)


ポイント

  • 事前にすべての状況を定義できない

  • センサー情報など リアルタイムデータ を利用

  • 報酬設計が最も難しい課題


3つの学習形態の比較まとめ

学習形態

ラベル

主な用途

教師あり学習

あり

分類・数値予測

教師なし学習

なし

グループ化・関係性発見

強化学習

なし

自律的意思決定

ISTQB AI Tester試験対策ポイント

  • 「ラベルの有無」 を必ず確認

  • 分類=教師あり、クラスタリング=教師なし

  • 強化学習=報酬と環境の相互作用

  • 実例と結びつけて理解するのが重要


まとめ

機械学習の3つの学習形態は、

AIシステムのテスト設計・評価観点を考える上で非常に重要です。

ISTQB AI Tester試験では、

「どの課題に、どの学習形態が適切か」を判断できる理解が求められます。

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