ISTQB Foundation(CTFL)試験の出題傾向を実際のサンプル問題から分析するシリーズ第10弾です。
今回は、「テストの独立性」「V字モデル初期フェーズの活動」「DevOpsの利点」「非機能テストの判断」「メンテナンステスト」 の5問を詳しく解説します。
各設問では、どのように選択肢を絞り込み、最終的に正解を導くのか、試験本番で使える“除外(Elimination)戦略” も紹介します。
質問36:独立性テスト(Independence of Testing)の利点とは?
問題文:
「次のうち、独立したテストの利点を最もよく説明しているのはどれか?」
選択肢
A. 品質の最終的な責任をテストチームに割り当てることができる
B. 外部のテストチームを雇えば納期プレッシャーの影響を受けにくい
C. テストチームは開発者と分離し、要件変更に惑わされず、コミュニケーションを制限できる
D. 要件にあいまいさや矛盾がある場合、独立したテスターは開発者の仮定を客観的に検証できる
解説
独立性テストの目的は、「開発者の思い込みや仮定を客観的に検証すること」 にあります。
開発者が曖昧な要件を独自に解釈して実装してしまうと、誤った方向に開発が進む可能性があります。
その際、独立したテスターが「この解釈は正しいのか?」と疑問を投げかけることで、
本来の要求とのズレを発見できます。
✅ 正解:D
「独立したテスターは、開発者の仮定や解釈を客観的に確認できる」
質問37:Vモデルの初期フェーズで行える活動は?
問題文:
「Vモデルにおいて、SDLC(システム開発ライフサイクル)の初期段階で実施できる活動はどれか(2つ選択)」
選択肢
A. 動的テストの実行
B. 静的テスト
C. テスト計画
D. 受け入れテストの実行
E. 保守テスト
解説
Vモデルでは、開発の初期段階(要件定義や設計フェーズ)で行うべきなのは、
「静的テスト」(レビューやウォークスルー)と**「テスト計画」** です。
コードがまだ存在しない段階では動的テスト(実際の実行)はできません。
✅ 正解:B(静的テスト)とC(テスト計画)
🧠 具体例:
-
要件書のレビュー(静的テスト)
-
単体・結合・受け入れテスト計画の立案(テスト計画)
質問38:DevOpsの利点とは?
問題文:
「次のうち、DevOpsの利点として正しいものはどれか?」
選択肢
-
より速いリリースと市場投入(Time to Market)の短縮
-
繰り返しの手動テストの必要性が増える
-
実行可能なソフトウェアを常に利用可能にできる
-
コードリファクタリングに伴うリグレッションテストが減る
選択肢:
A.
1️⃣ より速い製品リリースと市場投入までの時間短縮
2️⃣ 繰り返しの手動テストの必要性が増加する
B.
3️⃣ 実行可能なソフトウェアを常に利用可能にできる
4️⃣ コードリファクタリングに伴うリグレッションテスト数が減少する
C.
1️⃣ より速い製品リリースと市場投入までの時間短縮
3️⃣ 実行可能なソフトウェアを常に利用可能にできる
D.
2️⃣ 繰り返しの手動テストの必要性が増加する
4️⃣ コードリファクタリングに伴うリグレッションテスト数が減少する
解説
DevOps(Development + Operations)は、開発と運用の連携を強化する考え方(マインドセット) です。
自動化パイプラインにより、継続的デリバリーと継続的デプロイメントが可能になります。
✅ 正解:1と3(Cオプション)
理由:
-
①「リリースの高速化」はDevOpsの最大の特徴。
-
③「常に実行可能なソフトウェアが利用できる」は、CI/CD(継続的インテグレーション/デリバリー)の恩恵。
❌ 誤り例:
-
②は「自動化」と逆の意味。
-
④は「リファクタリングの頻度」は変わってもテストは必要。
質問39:性能要件を満たすかの確認 ― どのテストタイプ?
問題文:
「注文が95%のケースで10秒以内に処理される必要がある」という要件を検証するためにテストを行った。
これはどのテストタイプに分類されるか?
選択肢
A. 機能テスト(Functional)
B. 非機能テスト(Non-functional)
C. 構造テスト(Structural)
D. システムテスト(System)
解説
この問題は「処理時間(Performance)」に関する要件を検証しています。
つまり「機能が正しいか」ではなく、「どれだけ速く動作するか」を評価しているため、
これは非機能テスト(パフォーマンステスト) です。
✅ 正解:B(非機能テスト)
🧠 具体例:
-
100件の注文を行い、95件が10秒以内に完了 → 合格
-
性能テストツール(例:JMeter, LoadRunner)を利用
質問40:データ移行テストはどのテストタイプ?
問題文:
「システムが退役(リタイア)する際に、データ移行をテストする必要がある。これはどのテストタイプに該当するか?」
選択肢
A. メンテナンステスト(Maintenance Testing)
B. 結合テスト(Integration Testing)
C. コンポーネントテスト(Component Testing)
D. リグレッションテスト(Regression Testing)
解説
システムが「リリース後」にデータ移行や環境変更を行う場合、これは保守活動の一部 です。
新機能の開発ではなく、既存システムの管理・移行に関するテストとなるため、
正解はメンテナンステスト(保守テスト) です。
✅ 正解:A(Maintenance Testing)
🧠 補足例:
-
旧システムから新システムへ顧客データを移行する際、
データ欠損やフォーマットエラーがないかを検証する。
まとめ:本日の5問ポイント
|
No |
テーマ |
正解 |
キー概念 |
|---|---|---|---|
|
36 |
独立性テスト |
D |
客観性による品質確保 |
|
37 |
Vモデル初期フェーズ |
B・C |
静的テスト+テスト計画 |
|
38 |
DevOpsの利点 |
C |
自動化・高速リリース |
|
39 |
性能要件テスト |
B |
非機能テスト(Performance) |
|
40 |
データ移行テスト |
A |
メンテナンステスト |
✅ まとめポイント
-
独立したテスト は、開発者の仮定を検証する役割。
-
Vモデル初期フェーズ では「静的テスト」と「テスト計画」が中心。
-
DevOps は「スピード」と「自動化」がキーワード。
-
非機能テスト は「性能・信頼性・セキュリティ」などを測定。
-
メンテナンステスト は「リリース後の変更・移行」を確認。
🧩試験対策アドバイス
ISTQB試験では、各選択肢の根拠を理解して除外する ことが重要です。
正解を「当てる」のではなく、「他の選択肢が誤りである理由」を説明できるようにしましょう。
これが、Foundationレベルで問われる「理解ベースの知識」です。



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