ISTQB Foundation(CTFL)試験の出題傾向を理解するために、今回は公式サンプル試験Set 4に基づく問題を5問ピックアップし、丁寧に解説します。
「なぜその答えになるのか」を理解すれば、本番試験で迷わず解答できるようになります。
質問1:典型的なテストの目的はどれ?
典型的なテストの目的はどれ?
選択肢:
A. テスト対象内の欠陥を発見し修正する
B. 開発者との効果的なコミュニケーションを維持する
C. 法的要件が満たされていることを確認する
D. テスト対象の品質に対する信頼を構築する
解説:
-
A:欠陥を発見するのはテストの目的ですが、修正するのは開発者の仕事。
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B:コミュニケーションは重要ですが、テストの目的ではありません。
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C:法的要件の確認も大切ですが、これは「コンプライアンス評価」であり、一般的なテスト目的とは異なります。
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D:正解! テストの主要な目的のひとつは「品質に対する信頼を高める」ことです。
✅ 正解:D
質問2:障害者対応とボーナス計算エラーのケース
問題文(要約):
デザイナーが疲れており、障害者に配慮したUI設計を十分に行わなかった。
開発者はその設計通りに実装したが、時間的プレッシャーから例外処理を入れなかった。
運用後、障害者から苦情があり罰金が課せられた。また、ボーナス計算が時々誤っているが誰も気づいていない。
選択肢:
A. ボーナスの誤計算は、時々発生する欠陥である
B. 障害者対応不足による罰金は「失敗(failure)」である
C. 開発者が時間的プレッシャー下で作業したことが根本原因(root cause)である
D. UI設計にデザイナーのエラーが含まれている
解説:
-
A:まだ誰も気づいていないので、「欠陥が検出された」とは言えません。
-
B:罰金は「欠陥の結果」ではありますが、ISTQB的には「失敗」とは定義しません。
-
C:正解! 開発者が時間的制約下で例外処理を入れられなかったことが根本原因です。
-
D:デザイナーが疲れていたとはいえ、意図的なエラーではないため不正確です。
✅ 正解:C
質問3:テストケースを毎回変える理由
テスト条件は同じままですが、テストケースは毎回異なります。
この場合、どのテストの原則が当てはまりますか?
選択肢:
A. テストは劣化する(Tests wear out)
B. 欠陥が存在しないという誤った仮定を避ける(Absence of defects fallacy)
C. 早期テストはコストを削減する(Early testing saves time and money)
D. 欠陥は集中する傾向がある(Defects cluster together)
解説:
テスト条件が同じでも、テストケースを変えるのは、同じ手順では見つからない欠陥を発見するためです。
同じテストを繰り返すと「テストの劣化」が起き、新しいバグを見逃す可能性があるためです。
✅ 正解:A(テストは劣化する)
質問4:どのテストタスクがどのテスト活動に対応するでしょう?
どのテストタスクがどのテスト活動に対応するでしょう?
テストタスク:
-
テスト条件からテストケースを導出する
-
再利用可能なテストウェアを特定する
-
テストケースをテスト手順にまとめる
-
テストベースとテスト対象を評価する
テスト活動:
A. テスト分析
B. テスト設計
C. テスト実装
D. テスト完了
解答対応:
|
テストタスク |
テスト活動 |
|---|---|
|
1 |
B(設計) |
|
2 |
D(完了) |
|
3 |
C(実装) |
|
4 |
A(分析) |
解説:
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「テスト条件からテストケースを導出」→設計フェーズ
-
「再利用可能なテストウェアを特定」→完了時にまとめる
-
「テストケースを手順にまとめる」→実装フェーズ
-
「テストベースを評価」→分析フェーズ
✅ 正解:B
質問5:テスト実装の成果物
次のうち、テスト実装(Test Implementation)の結果として作成されるテストウェアはどれですか?
選択肢:
A. テスト完了報告書
B. テスト入力・期待結果を格納したデータベース
C. テスト環境を構築するための要素リスト
D. 実行順に並べたテストケース手順書
E. テストケース
解説:
-
A:テスト完了報告書はテスト完了フェーズの成果物。
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B・D:正解! テスト実装では、テストデータベース(入力値・期待結果)や、実行順に並べた手順書を作成します。
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C:環境構築は「テスト準備」の段階。
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E:テストケースは「設計」フェーズで作成します。
✅ 正解:Aの組み合わせ(BとDが該当)
まとめ
今回のPart #31では、特に「テストプロセスと成果物」に関する出題が中心でした。
ISTQB試験では、単なる暗記ではなく「どの工程で何が作られるか」を理解していることが問われます。
💡 ポイント:ISTQBでは「因果関係の理解」が鍵です。
どの原因(root cause)が、どの結果(defect/failure)につながるかを整理しましょう。



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