【ISTQB /JSTQB ALTA 解説】3.2.6 分類木法(Classification Tree Method)の解説

JSTQB Advanced Level Test Analyst

はじめに

今回は「ISTQB Advanced Test Analyst」シラバスの 3.2 Specification-based Techniques(仕様ベーステスト技法) の中から、

新しく追加された 分類木法(Classification Tree Method) について解説します。

この技法は2019年版のシラバスで導入された比較的新しいトピックです。

以前のシラバス(旧バージョン)では「欠陥管理(Defect Management)」という章がありましたが、

すでにFoundation Levelで十分に扱われているため、2019年版からは削除されています。

では、この新たに登場した「分類木法」とはどのような技法なのでしょうか?


分類木法とは?

分類木法(Classification Tree Method)は、

テスト対象の入力条件や状態、環境などのパラメータを体系的に分類し、

それらの組み合わせを視覚的に整理するための手法です。

つまり、「ある機能をテストするときに、どのような条件の組み合わせがあり得るか?」を

ツリー構造(木構造)で表すものです。

これにより、複雑な入力条件を漏れなく整理でき、

効率的かつ網羅的なテスト設計が可能になります。


分類木の構成要素

分類木は、主に次の2つの要素で構成されます。

要素

説明

分類(Classification)

テスト対象に影響を与えるパラメータ(入力条件・環境設定・前提条件など)

クラス(Class)

各分類に属する具体的な値や状態の選択肢

例:

たとえば、ある気象アプリの動作をテストするとします。

考えられる分類(条件)とクラス(値)は次のようになります。

分類

クラス(具体的な値)

天気(Outlook)

晴れ(Sunny)、曇り(Overcast)、雨(Rainy)

湿度(Humidity)

高(High)、普通(Normal)

風(Windy)

あり(Yes)、なし(No)

これをツリーで表すと以下のようなイメージになります。

このように分類木を使うことで、

「どの条件をどのように組み合わせてテストすべきか」がひと目で分かります。


分類木法の目的と効果

分類木法の主な目的は、ブラックボックステストの設計を支援することです。

特に、次のような仕様ベースのテスト技法をサポートします。

  • 同値分割法(Equivalence Partitioning)

  • 境界値分析(Boundary Value Analysis)

  • 組み合わせテスト(Combinatorial Testing)

つまり、これらのテスト設計手法で扱うデータ空間を視覚的に整理するために使われます。


分類木法の実用例(システム設定テスト)

別の例として、あるアプリケーションの動作環境をテストするケースを考えてみましょう。

分類

クラス

クライアントタイプ

Web、モバイル

ブラウザ

Chrome、Edge、Safari

言語

英語、日本語、フランス語

OS

Windows、macOS、Android、iOS

このように分類木を作成しておくと、

組み合わせテストを設計する際に網羅性を確認しながら効率的にテストケースを抽出できます。

たとえば「Web × Chrome × 日本語 × Windows」など、

条件を組み合わせたテストケースを体系的に導き出せます。


分類木法で作成できる組み合わせ

分類木法では、必要に応じて以下のような組み合わせパターンを選択できます。

組み合わせの種類

説明

シングルワイズ(Single-wise)

各分類の値を1つずつテスト

ペアワイズ(Pair-wise)

2つの条件の全組み合わせを網羅

スリーワイズ(Three-wise)

3条件の全組み合わせを網羅

このような方法を用いることで、

全パターンテスト(全組み合わせ)よりもはるかに少ないケース数で高い網羅率を実現できます。

次の章(3.2.7)では、この中の「ペアワイズ法(Pairwise Testing)」について詳しく扱います。


まとめ:分類木法のポイント

  • 分類木法は 入力条件や環境設定を分類し、ツリー形式で整理する手法

  • ブラックボックステストのテストデザインを視覚的に支援する

  • 同値分割法・境界値分析・組み合わせテストと非常に相性が良い

  • 組み合わせ数を最適化しながら網羅性を維持できる

分類木法を理解しておくことで、複雑なテスト条件でも体系的に整理でき、

効率的で漏れのないテスト設計が可能になります。


💡ポイント

分類木法はツールを使うとさらに効果的です。

たとえば「Classification Tree Editor」などのツールでは、

GUI上で分類・クラスを整理し、ペアワイズ抽出まで自動化できます。


🎯まとめ

  • 新シラバス(2019)で新規追加

  • 図で条件関係を整理できる

  • 組み合わせテストの基礎となる

  • 次回はペアワイズテスト(Pairwise Testing)を学習

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