ISTQB Foundation(CTFL)試験に向けて、今回は サンプル試験セット4の質問11〜15 を解説します。
それぞれの問題の選択肢を丁寧に確認しながら、なぜその答えが正解なのかを実務的な観点から説明していきます。
質問1:DevOpsを導入する際に最も起こりやすい課題はどれ?
設問:
次のうち、DevOpsを実装する際に最も起こりやすい課題はどれですか?
選択肢:
A. 非機能的品質特性が見落とされないようにすること
B. 継続的に変化するテスト環境の管理
C. 経験豊富なマニュアルテスターの確保
D. 配信パイプラインの一部としてテスト自動化を構築すること
正解: D. 配信パイプラインの一部としてテスト自動化を構築すること
解説:
DevOpsの導入時に最も大きな課題の一つが、テスト自動化をパイプラインに統合することです。
特に、開発・テスト・デプロイを高速に繰り返す環境では、自動化テストの設計・実装・メンテナンスが難しくなります。
具体例:
CI/CD環境でビルドごとに自動テストを走らせる際、テストデータや環境依存の不具合により、自動化が止まってしまうことがあります。
このような場合、テストスクリプトの安定性と環境管理が課題になります。
質問2:レトロスペクティブ(振り返り)を最もよく表すものはどれ?
設問:
次のうち、アジャイル開発における「レトロスペクティブ(振り返り)」を最もよく説明しているものはどれですか?
選択肢:
A. チームメンバーの貢献度を確認する場
B. 成功した活動を特定し、今後も維持するための機会を提供する場
C. 管理層や顧客への不満を表明する場
D. 次のイテレーション計画や技術的な意思決定を行う場
正解: B. 成功した活動を特定し、今後も維持するための機会を提供する場
解説:
レトロスペクティブは「うまくいったこと・改善すべきこと」をチーム全体で振り返るミーティングです。
目的は“責任追及”ではなく“継続的改善”。
次のスプリントで成功事例を活かし、課題を改善することを目的とします。
具体例:
前回のスプリントで自動テストのカバレッジが向上したなら、その実施方法を標準化して継続します。
逆に、レビュー時間が不足していた場合は、スプリント計画時にリソースを再配分します。
質問3:機能テストの一環として最も実施される可能性が高いテストはどれ?
設問:
次のうち、機能テストの一部として最も実施される可能性が高いものはどれですか?
選択肢:
A. ソート関数がリストを昇順に並べ替えるかを確認するテスト
B. ソート関数が1秒以内に処理を完了するかを確認するテスト
C. ソート関数を容易に変更できるかを確認するテスト
D. ソート関数が32ビットから64ビット環境に移行しても動作するかを確認するテスト
正解: A. ソート関数がリストを昇順に並べ替えるかを確認するテスト
解説:
機能テストは、仕様どおりに機能が動作するかを確認します。
一方、性能・移植性・使いやすさなどは非機能テストの範囲です。
選択肢Aは典型的な機能テストの例です。
具体例:
入力データ [5, 2, 9] に対して、出力が [2, 5, 9] であれば、機能要件どおりに動作していると判断します。
質問4:保守テストを実施するきっかけ(トリガー)として最も可能性が高いのはどれ?
設問:
次のうち、通貨交換システムで保守テストを行うきっかけとなる可能性が最も高いのはどれですか?
選択肢:
A. 開発者がシステム変更が難しいと報告し、テスターがそれを検証したいと考えた
B. 返金機能が正しく金額を返さなかったため、システムから削除された
C. 新しい顧客ロイヤルティ機能の開発が開始された
D. 通貨取引で英語と現地言語の両方をサポートできるよう設定が変更された
正解: B. 返金機能が正しく金額を返さなかったため、システムから削除された
解説:
保守テスト(Maintenance Testing)は、既存システムに変更が加えられた際の確認テストです。
機能追加や削除・修正が行われた場合、その影響を確認する目的で実施されます。
具体例:
返金機能を削除した場合、他の会計処理や顧客履歴への影響をテストします。
これは典型的な「回帰テスト(Regression Testing)」を含む保守テストです。
質問5:静的テストでは確認できないものはどれ?
設問:
次のうち、静的テストでは確認できないものはどれですか?
選択肢:
A. 契約書(Contract)
B. テスト計画書
C. 暗号化されたコード(Encrypted Code)
D. テストチャーター
正解: C. 暗号化されたコード(Encrypted Code)
解説:
静的テスト(Static Testing)は、プログラムを実行せずにレビューや解析を行う手法です。
ソースコード、テスト設計書、仕様書などを対象としますが、暗号化されたコードは内容が読めないため、静的解析できません。
具体例:
コードの内容が暗号化や圧縮によって可読不能な場合、コードレビューではロジックや不具合を検出できません。
まとめ
|
テーマ |
正解 |
ポイント |
|---|---|---|
|
DevOpsの課題 |
D |
テスト自動化の導入が最も難しい |
|
アジャイルのレトロスペクティブ |
B |
改善と成功事例の共有 |
|
機能テスト |
A |
仕様どおりの動作を確認 |
|
保守テストのトリガー |
B |
機能削除や修正が契機になる |
|
静的テストで確認できないもの |
C |
暗号化コードは解析不可能 |
まとめ:学習のポイント
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DevOpsでは「自動化」が最大の課題。CI/CDパイプラインを理解しておく。
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レトロスペクティブの目的は「改善の継続」。責任追及の場ではない。
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機能テストと非機能テストの違いを明確に区別する。
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保守テストはシステム変更後の影響確認のために行う。
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静的テストはコードを実行しない解析。暗号化データは対象外。



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