この記事では、ISTQB Foundation(CTFL)試験のサンプル問題31〜35を、実際の出題傾向に沿って詳しく解説します。
それぞれの問題で「なぜその答えになるのか」を理解できるように、根拠や具体例を交えて説明しています。
質問31:テストの「出口条件(Exit Criteria)」はどれ?
問題文:
次のうち、システムテストの「出口条件(Exit Criteria)」に該当するものを2つ選びなさい。
選択肢:
A. テスト環境の準備が完了している
B. テスターがテスト対象にログインできる
C. 予測した欠陥密度に達した
D. 要件がGiven/When/Then形式に変換された
E. 回帰テストが自動化されている
正解:CとE
解説:
出口条件とは、「テストを終了してもよいと判断できる条件」のことです。
逆に、**入口条件(Entry Criteria)**は「テストを開始してよい条件」ですね。
-
AとBは、テストを始めるための条件(入口条件)です。
-
Cの「予測した欠陥密度に達した」は、テスト終了を判断するための出口条件です。
-
Eの「回帰テストが自動化されている」も、出口条件の一つとされます。
✅ 例:
テスト計画書に「欠陥密度が1KLOCあたり0.2未満になったらテスト完了とする」と定められている場合、これは典型的な出口条件です。
質問32:3点見積り法(Three-Point Estimation)
問題文:
あなたのチームは新しい高リスク機能のテスト工数を、3点見積り法(Three-Point Estimation Technique)で算出します。
次の見積りが与えられています:
-
楽観値(Optimistic): 2人時
-
最確値(Most Likely): 11人時
-
悲観値(Pessimistic): 14人時
このとき、最終見積り(Expected Value)はいくつになりますか?
選択肢:
A. 9人時
B. 11人時
C. 12人時
D. 10人時
公式:

計算:
(2 + 4×11 + 14) ÷ 6 = (2 + 44 + 14) ÷ 6 = 60 ÷ 6 = 10
正解:D(10人時)
✅ ポイント:
3点見積り法は、不確実性を考慮して平均化する手法です。
特にアジャイルやリスクベースドテスト計画でよく使用されます。
質問33:テストケースの優先度と依存関係
問題文:
モバイルアプリで「近くのレストランを探す機能」をテストします。
下記のテストケースをもとに、「3番目に実行すべきテストケース」を選びなさい。
|
テストケース |
テスト内容 |
優先度 |
依存関係 |
|---|---|---|---|
|
TC001 |
食べたい料理の種類を選択する |
3 |
なし |
|
TC002 |
レストランを選択する |
2 |
TC001 |
|
TC003 |
経路案内を取得する |
1 |
TC002 |
選択肢:
A. TC003
B. TC001
C. TC002
D. TC004
(※TC004は存在しないダミー選択肢)
正解:A(TC003)
解説:
優先度が1でも、依存関係がある場合は先に依存元を実行する必要があります。
TC003はTC002に依存し、TC002はTC001に依存しているため、実行順は 1 → 2 → 3 となります。
✅ 例:
-
食べたい料理を選択(TC001)
-
レストランを決定(TC002)
-
経路を取得(TC003)
という流れです。現実的にも自然なテストシナリオになりますね。
質問34:アジャイルテストの4象限(Agile Testing Quadrants)
問題文:
以下のテストカテゴリを、それぞれアジャイルテストの4象限(Quadrant)にマッピングしなさい。
|
No |
テストカテゴリ |
該当象限 |
|---|---|---|
|
1 |
Usability(ユーザビリティ) |
? |
|
2 |
Component Testing(コンポーネントテスト) |
? |
|
3 |
Functional Testing(機能テスト) |
? |
|
4 |
Reliability Testing(信頼性テスト) |
? |
選択肢:
A. 1–C, 2–A, 3–B, 4–D
B. 1–A, 2–B, 3–C, 4–D
C. 1–B, 2–A, 3–C, 4–D
D. 1–C, 2–B, 3–A, 4–D
正解:A(1→C, 2→A, 3→B, 4→D)
解説:
アジャイルテストの4象限は以下のように整理できます。
|
象限 |
特徴 |
例 |
|---|---|---|
|
Q1 |
技術面(開発チーム支援) |
ユニットテスト、コンポーネントテスト |
|
Q2 |
ビジネス面(開発支援) |
機能テスト、ストーリーテスト |
|
Q3 |
ビジネス面(プロダクト批評) |
ユーザビリティテスト、UAT |
|
Q4 |
技術面(プロダクト批評) |
性能テスト、セキュリティテスト |
✅ ポイント:
「支援する(support)」テストと「批評する(critique)」テストを区別すると覚えやすいです。
質問35:リスク対応の種類(Risk Mitigation)
問題文:
次のリスクが特定されました。
「レポート生成に時間がかかりすぎる可能性がある」
発生確率:中(Medium)
影響度:非常に高い(Very High)
対応策:
-
独立したテストチームがシステムテスト時に性能テストを実施
-
一部のエンドユーザーがα・βテストを実施
この対応策のタイプはどれに当たるでしょうか?
選択肢:
A. リスク回避(Avoidance)
B. リスク受容(Acceptance)
C. リスク軽減(Mitigation)
D. リスク転嫁(Transfer)
正解:C(リスク軽減)
解説:
具体的な対策(性能テスト、ユーザーテスト)を実施してリスクを減らすため、これは**リスク軽減策(Mitigation)**に該当します。
✅ 補足:
|
対応策 |
内容 |
|---|---|
|
回避(Avoidance) |
リスク要因を除去(例:該当機能を削除) |
|
軽減(Mitigation) |
リスク発生確率や影響を下げる(例:性能テスト) |
|
受容(Acceptance) |
何もせずリスクを受け入れる |
|
転嫁(Transfer) |
保険や外注などでリスクを他者に移す |
まとめ
このPart #7では、以下の重要なポイントを学びました。
|
テーマ |
キー概念 |
|---|---|
|
出口条件 |
欠陥密度や自動化状態など、テスト終了の判断基準 |
|
見積り |
3点見積り法による不確実性の平均化 |
|
依存関係 |
テスト実行順序を論理的に判断 |
|
アジャイルテスト |
4象限(技術/ビジネス × 支援/批評)の理解 |
|
リスク対応 |
具体的な軽減策を計画的に設定 |
これらの知識は、ISTQB試験だけでなく、実際のテスト計画・品質管理業務にも役立ちます。
ぜひ問題の意図を理解しながら学習を進めてください。



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