ISTQB Advanced Test AnalystのChapter 5では、「レビュー(Review)」と「チェックリストの活用(Using Checklists)」がテーマです。
この記事では、YouTubeチャンネル「ISTQB Tutorials」で紹介された サンプル問題2問 をもとに、
試験で問われるレビューの考え方と、チェックリストの使い方を具体的に解説します。
✅ 第1問:要求仕様書レビューとチェックリストの適用
■ 問題文(シナリオ)
あなたは以下のような要求仕様書をレビューしています。
要求仕様書の内容(抜粋)
-
オブジェクト: 新システム
-
著者: 開発担当者A
-
バージョン: 0.23
-
サブシステム: 顧客管理
-
作成日: 2025/01/15
-
対象ユースケース: Yes(プロジェクト適用)
この仕様書には機能要求がいくつか記載されています。
また、レビューのために以下のチェックリストが提供されています。
■ チェックリスト項目
|
No |
チェック項目 |
判定 |
|---|---|---|
|
1 |
各要求はテスト可能であるか? |
✅ はい |
|
2 |
各要求に受け入れ基準が定義されているか? |
✅ はい(文字数・桁数が明示) |
|
3 |
ユースケース呼び出し構造が示されているか? |
⚠️ なし(ただし画面仕様書で補足あり) |
|
4 |
要求が一意に識別できるよう番号が付与されているか? |
❌ なし |
|
5 |
バージョンが明記されているか? |
✅ あり(v0.23) |
|
6 |
各要求がビジネス要求やマーケティング要求にトレース可能か? |
❌ 不可(ID未定義) |
|
7 |
要求とユースケースの間にトレーサビリティがあるか? |
❌ 不明(IDなし) |
■ 解答の考え方
この問題では、「要求仕様」と「チェックリスト」を比較し、
どの項目が**満たされていない(Not Met)**かを判断します。
上記の確認結果から、
満たされていない項目は以下の通りです。
-
④ 要求の一意識別(Requirement IDの欠如)
-
⑥ ビジネス要求とのトレーサビリティ
-
⑦ ユースケースとのトレーサビリティ
✅ 正解:
B(4・6・7が未達)
💡 解説ポイント
この問題は、レビューにおけるトレーサビリティと一意性の重要性を問うものです。
テストアナリストとしては、
-
各要求に「一意のID」を付与すること
-
要求からビジネス要件・ユースケース・テストケースへ追跡できること
が品質保証上の基本原則となります。
✅ 第2問:要求文の品質チェック
■ 問題文
あなたは、オンラインバンキングアプリ開発プロジェクトのテストアナリストです。
要件レビューに参加する際、以下の要求仕様が提示されました。
REQ-03
ソフトウェアに不慣れなユーザーでも、銀行振込を行えること。
あなたは以下の要求記述チェックリストを使ってレビューを行います。
■ チェックリスト項目
|
No |
チェック項目 |
|---|---|
|
1 |
要求はテスト可能であること |
|
2 |
要求には一意の識別子があること |
|
3 |
要求にバージョン番号が明記されていること |
|
4 |
要求がビジネス/マーケティング要求にトレース可能であること |
■ 選択肢
A. すべての項目が満たされている
B. ①と②が満たされている
C. ②のみが満たされている
D. ①のみが満たされている
■ 解答の考え方
要求をチェックリストに照らし合わせて確認します。
|
チェック項目 |
判定 |
|---|---|
|
① テスト可能 |
❌ 不明確。「不慣れな人」とは誰かが曖昧。テスト条件を定義できない |
|
② 識別子 |
✅ 「REQ-03」として定義あり |
|
③ バージョン番号 |
❌ 明記なし |
|
④ トレーサビリティ |
❌ 不明。ビジネス要求とのリンク情報がない |
✅ 正解:
C(②のみ満たされている)
💡 解説ポイント
この問題は、要求が曖昧であってはテストできないことを確認する例です。
「不慣れな人」とは誰か?
「振込を行える」とはどの範囲か?
など、具体的・客観的な条件が欠けています。
要求がテスト可能になるためには、
-
明確な入力条件と期待結果
-
測定可能な基準(例:操作回数・時間など)
を定義する必要があります。
🧩 Chapter 5で学ぶべきポイント
|
項目 |
内容 |
|---|---|
|
レビューの目的 |
要求や仕様書の欠陥を早期に発見する |
|
チェックリストの役割 |
共通基準をもとにレビューを標準化・効率化する |
|
テストアナリストの責務 |
テスト観点(テスト容易性・明確性・一貫性・トレーサビリティ)で要求を精査する |
|
レビューの効果 |
コーディング前に欠陥を検出し、修正コストを大幅削減できる |
🏁 まとめ
ISTQB Advanced Test AnalystのChapter 5では、
レビューとチェックリストを通じて欠陥を早期に発見するスキルが求められます。
特に試験では、
-
「どのチェック項目が満たされていないか」
-
「要求の曖昧さをどう判断するか」
が問われることが多いため、チェックリストの目的を理解し、
例題で練習しておくことが重要です。


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