ISTQB Foundation Level(CTFL)試験の第1章「Fundamentals of Testing(テストの基礎)」をすべて学習したあとは、実際の出題傾向を知ることが重要です。
本記事では、Chapter 1の代表的なサンプル問題3問を取り上げ、どのように考えれば正解を導けるかを具体的に解説します。
🎯 問題1:有効なテスト目的とは?
問題文:
次のうち、有効なテストの目的を正しく表しているのはどれか?
A. システムに未修正の欠陥がないことを証明する
B. 本番稼働後に障害が発生しないことを証明する
C. テスト対象のリスクレベルを下げ、品質に対する信頼を高める
D. 入力の全ての組み合わせがテストされていることを確認する
解説:
テストの目的は「欠陥の存在を示す」ことであり、「欠陥が存在しない」ことを証明するものではありません(原則1)。
また、全ての入力組み合わせをテストすることは不可能です(原則2)。
したがって、正解はCです。
✅ ポイント:テストの主目的は「リスクを下げ、品質への信頼を高める」こと。
🧠 問題2:回帰テストが更新されない理由への懸念
問題文:
アジャイル開発で新しいシステムを段階的に開発中。
数回のイテレーションで回帰テストが更新されず、欠陥も見つかっていない。
マネージャーは喜んでいるが、あなたは不安を感じている。
この不安を説明するテスト原則はどれか?
A. テストの劣化(Pesticide Paradox)
B. エラー不在の誤謬(Absence-of-Error Fallacy)
C. 欠陥の集中
D. 網羅的テストは不可能
解説:
アジャイルではコードが毎スプリントごとに更新されます。
その中で回帰テストを長期間更新しないと、既存のテストケースが陳腐化してしまうという問題が発生します。
これを「Pesticide Paradox(テストの劣化)」と呼びます。
よって、正解はAです。
✅ ポイント:テストケースは継続的に見直し・更新することが必要。
⚙️ 問題3:テストプロセスに影響する要因は?
問題文:
以下の要因のうち、テストプロセスに大きく影響を与えるものを選べ。
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SDLC(開発ライフサイクル)
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過去プロジェクトの欠陥件数
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製品リスクの特定
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法規制によるホワイトボックステストの義務
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テスト環境構築
解説:
テストプロセスに大きく影響するのは次の3つです。
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① SDLC:開発モデルによりテスト戦略は大きく変わる
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③ 製品リスク:リスクベースドテストの根幹要素
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④ 法的要件:規制に従わないと製品リリースができない
したがって、**正解は 1, 3, 4(選択肢B)**です。
✅ ポイント:SDLC、リスク、法規制がテストプロセスを左右する3大要素。
💡 学習のまとめ
Chapter 1では、「テストの目的」「原則」「プロセス」などの基本概念が中心となります。
試験対策としては、各原則(7原則)をしっかり理解し、問題文に隠されたキーワードから原則を特定する練習を重ねることが重要です。
また、今回のようなサンプル問題を繰り返し解くことで、試験本番でも迷わず答えを導けるようになります。
🧭 次のステップ
次回のチュートリアルでは、ISTQB Foundation試験の他の章に関するサンプル問題を順に解説していきます。
引き続き、各章の出題傾向と学習のコツを分かりやすく紹介します。
✅ まとめ
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テスト目的は「品質への信頼」と「リスク低減」
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回帰テストの更新不足は「Pesticide Paradox」
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SDLC・リスク・法的要件がテストプロセスを左右
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